かるかん
あく巻き
鹿児島では端午の節句に欠かせない郷土食(菓子)であり、古くは、関ヶ原の戦いに持参した島津藩の兵糧だったといわれています。ふるさと鹿児鳥を離れて暮らす家族のために、自家製のあく巻を送る家庭も多いようです。
きな粉、黒糖、砂糖、醤油などをつけて食べます。
郷土菓子
黒糖
さつまいも菓子
文旦漬
白熊
さつまあげ
鰹
黒潮に乗ってやってくる鰹は、おなじみの鰹のたたき・刺身のほか、鰹節・なまり節・味噌・フレーク・せんじ・塩辛・酒盗など様々な加工品があります。
鰹は捨てるところがほとんどないといわれるように、鰹節をつくる時に取り除いた腹皮はご飯のおかずや焼酎の肴として、また、煮汁(エキス)を煮詰めたせんじは料理の隠し味として、あらゆる食べ方でまるごと楽しめます。
水産加工品
鹿児島は南北に長い海岸線をもち、黒潮の流れる一帯は「魚の宝庫」です。
飛魚・きびなご・ちりめん・いわしなどの新鮮な海の幸は太陽の光をいっぱいあびて、カルシウムたっぷりのおいしい干物になり、毎日のおかずや晩酌の友として食されます。
豆知識
鹿児島では、いわしなどの干し魚のことを「がらんつ」といい、「焼酎にはがらんつ」というお父さんたちだけではなく、幅広い世代に好まれています。
輸送技術の発達した便利な現代と違い、交通の不便な時代には海から遠く離れた山村のおかずやお土産として重宝されていました。
鹿児島黒牛
豆知識
鹿児島黒牛の歴史は古く、明治時代には全国でいち早く畜産試験場を設立し、生産から飼育にいたるまで力を注いできました。当時県内各地で飼われていた羽島牛・加世田牛・種子島牛などの牛に改良を重ねて生まれたのが、現在の鹿児島黒牛です。平成4年4月、鹿児島黒牛はかごしまブランドに指定され、さらに高品質な牛肉づくりを目指して、平成6年には肉用牛改良研究所が開設されました。
かごしま黒豚
かごしま黒豚の歴史は古く、400年の歴史を持ちます。鹿児島の豊かな自然の中で、さつまいもを加えた飼料で伸び伸び育てられた肉質は「柔らかく、歯切れがよく、うまみがある」と県内外で人気の高い逸品です。体毛は黒色で、四肢、鼻、尾の6ヶ所に白斑があり、「六白(ろっぱく)」と呼ばれています。
豆知識
豚は、鹿児島へは今からほぼ400年前、島津藩主によって移入されました。明治期になり、英国から導入したバークシャー種と交配することで改良が進められ、味に磨きがかけられてきました。昭和30年代から40年代にかけては全国的にその名を知られ、もてはやされていましたが、飼育に時間がかかり、産子数の少ない黒豚は経済効率が悪いため、高度経済成長時代に絶滅の危機に瀕しました。それでも変わらぬ根強い人気と、黒豚を愛する人々の努力と情熱で「かごしま黒豚」として現在のように全国に名を馳せるようになりました。
さつま地鶏
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「さつま地鶏」は、平成2年から約10年の歳月をかけて養鶏試験場(現畜産試験場)が開発した地鶏です。鹿児島で古くから飼われていた「薩摩鶏」の肉用タイプと卵肉兼用種の「ロードアイランドレッド」を交配して、12世代にわたり開発した赤褐色の羽を持つ地鶏です。
適度な歯ごたえと滋味を持ち、一度食べるとまた食べたくなるおいしさです。
さつま地鶏は、県内の「さつま地鶏生産者協議会」会員だけが生産し、消費者の安心・信頼を得るため、商品にはロゴマークが表示されています。
豆知識
江戸時代から飼われていた「薩摩鶏(さつまどり)」は美しい羽色と荒々しい気性が愛され、武士がその闘争心にあやかり庭先で放し飼いにしていました。藩政時代には士気を高めるため、娯楽として闘鶏が奨励されていたといわれます。
羽色、羽毛は美しく、太鼓踊の矢旗に飾られたり、漁の疑似餌としても利用されてきました。締まりと旨みのある肉は煮物、さつま汁のほか、刺身として賞味されてきました。
茶
鹿児島の茶は県内各地で生産されており、生産量は全国第二位を誇っています。近年はどの産地でもできるだけ農薬を使用しない「クリーンな鹿児島茶づくり」を心がけており、また、温暖な気候のもと「日本一早い走り新茶」も有名です。
お茶は、ビタミンA・C・E、食物繊維、カテキンなどが豊富なノンカロリーの健康飲料です。また、お茶に含まれるフッ素は虫歯予防に効果があるといわれ、身体によいといわれるサポニン、ミネラルなどの成分も含まれています。最近では飲むだけでなく、お茶の栄養をまるごと摂るよう、料理などにも活用されています。
漬物
大根を寒風にさらして干し、塩水をかけながら杵で突き、半年ほどかけて自然発酵させた「山川漬」。
世界一大きな桜島大根を粕漬けにした、琥珀色のコクのある味とみずみずしい歯ごたえの「桜島大根漬」。
他にも、特産の菜の花・オクラ・パパイヤなどの漬物もあり、その食感、香り、色などが楽しまれています。
酢
錦江湾の奥、霧島市福山町の温暖な気候と良質の水が生んだ黒酢は、ミネラルたっぷりの天然醸造で、身体に良い様々な成分が含まれており、健康酢として全国の消費者に愛されています。また、奄美大島などでは“酢”といえば「さとうきび酢」のことで、調味料としてはもちろん、昔から消毒薬や食中毒の解毒剤としても使われてきました。
味噌・醤油
焼酎
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1559年大口(現伊佐市)の郡山八幡神社の社殿に「棟梁がけちであまり焼酎を飲ませてくれない」という大工の落書きがあるように、鹿児島では古くから焼酎が飲まれていました。今でも鹿児島で酒といえば「焼酎」を指します。
鹿児島の本格焼酎は、さつまいも・黒糖・麦などを原料としており、酔い覚めさわやか、二日酔い知らずのアルコールとして、男女を問わず多くの人に愛されています。それぞれの蔵元で材料や製造方法にこだわっており、有機栽培の芋を使用したり、樽や甕で長期貯蔵したりと、特色ある焼酎づくりが進められています。ロック、お湯割り、水割り、ウーロン茶割りなど、割るものによって様々な飲み方ができるのも焼酎の良いところです。きびなご、とんこつ、さつまあげなどの郷土料理との相性は抜群ですが、和洋を問わず、様々な料理の良きパートナーになります。
飲料水など
鹿児島は温泉天国といわれており、指宿、霧島のほか、県内各地に温泉があります。温泉は入って疲れを癒すだけでなく、飲んで身体に良い成分を多く含んでおり、最近はペットボトル入りの商品も増えてきました。また、料理や園芸用としても使用されているほか、温泉水の旨みや保湿性などを活用した焼酎や化粧品なども作られています。
温泉水のほか、山々から湧き出るミネラルウォーター、県内各地の野菜や果物などを加工したジュース類もたくさんあり、ビタミンたっぷり、香りさわやかな一杯が、心も体も癒してくれます。